- 夏便秘
- 腸活
- 松生先生
夏便秘解消に役立つ食べ物10選|お通じのために取り入れたいものとは
便秘が続くと、お腹の張りや重さが気になり、食事の内容にも迷いやすくなります。「何を食べればよいのか」「普段の食事で気を付けることはあるのか」と悩む方も多いでしょう。
特に夏は、暑さによる発汗や水分不足の影響で便が硬くなり、排便しにくくなる夏便秘が起こりやすい季節です。
夏便秘の原因と対策についてはこちらのコラムで詳しく紹介しています。
当記事では、便秘解消を目指す方に向けて、食事で意識したいポイントやおすすめの食べ物、便秘になりやすい食べ物について分かりやすく解説します。
1.便通を整えるために取り入れたいものとは?
便通を整えるためには、食生活の見直しが欠かせません。便秘の解消を目指す際は、食物繊維やオリゴ糖など、腸内環境に関わる栄養素や成分を意識して取り入れることが大切です。ここでは、便通を整えるために取り入れたいものを紹介します。
1-1.食物繊維
食物繊維とは、人の消化酵素では消化されにくく、小腸で吸収されずに大腸まで届く食品成分です。水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に分けられます。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸の動きを助ける働きがあります。一方、水溶性食物繊維は腸内環境を整え、便をやわらかくする働きが期待できます。
不溶性食物繊維ばかりに偏ると、便が硬くなり、かえって出にくく感じる場合もあります。便通を整えたいときは、野菜、海藻、果物、豆類、きのこ、穀類などを組み合わせ、両方の食物繊維をバランスよく取り入れることが大切です。主食を玄米や麦ごはん、ライ麦パンなどに替える方法も、日々の食事に取り入れやすいでしょう。
1-2.不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸とは、植物油や魚介類に多く含まれる脂肪酸の一種です。オリーブオイル、ごま油、えごま油、亜麻仁油、グレープシードオイル、紅花油、青魚などに含まれ、体内で作れない必須脂肪酸は食事から取り入れる必要があります。便通との関係では、適度な油分が便のすべりを助け、排便しやすい状態を支えると考えられています。
また、不飽和脂肪酸は吸収されにくい性質があり、腸をゆるやかに刺激して蠕動運動を促す働きも期待されています。ただし、油は摂りすぎるとエネルギー過多につながるため、料理に少量加える程度から始めるとよいでしょう。酸化しやすい油もあるため、開封後は早めに使い切り、新鮮な状態で取り入れることも大切です。
1-3.乳酸菌・ビフィズス菌
乳酸菌は、糖類を分解して乳酸をつくる細菌の総称です。ビフィズス菌は乳酸に加えて酢酸などをつくり、腸内を酸性に保つことで、悪玉菌が増えにくい環境づくりに関わります。腸内環境が整うと、腸の動きが支えられ、便通のリズムを整える助けになると考えられています。
ヨーグルトや乳酸菌飲料、発酵食品などから取り入れられますが、菌の種類や体質によって合うものは異なります。毎日少しずつ続けながら、自分のお腹の状態を見て選ぶことが大切です。また、乳酸菌・ビフィズス菌は食物繊維やオリゴ糖を栄養源にするため、野菜や豆類、果物などと組み合わせると、より腸内環境を意識した食事につながります。水分もあわせて取り入れましょう。
1-4.オリゴ糖
オリゴ糖とは、単糖が2~10個ほど結び付いた糖の一種です。なかでも難消化性オリゴ糖は、胃や小腸で消化・吸収されにくく、大腸まで届きやすい特徴があります。大腸ではビフィズス菌など善玉菌の栄養源となり、腸内環境を整える働きが期待できます。
善玉菌が増えると、乳酸や酢酸などがつくられ、腸内が酸性に保たれやすくなります。その結果、悪玉菌が増えにくい環境づくりにつながり、便通のリズムを支える助けになります。オリゴ糖は玉ねぎ、ごぼう、バナナ、大豆、てんさいなどに含まれるほか、甘味料として使われることもあります。ただし、一度に多く摂るとお腹がゆるくなる場合があるため、まずは少量から取り入れるとよいでしょう。
1-5.メントール
メントールとは、ペパーミントやハッカに含まれる清涼感のある成分です。便通との関係では、腸管の平滑筋の緊張をゆるめ、腹部の張りやガスによる不快感を軽くする働きが期待されています。過敏性腸症候群では、腸溶性のペパーミントオイルカプセルが腹痛や腹部膨満感、ガスなどの症状を短期的に和らげる可能性があるとされています。
日常では、ペパーミントティーやハッカを使った食品を取り入れる方法があります。食後に温かいペパーミントティーを飲むと、すっきりとした香りで気分を落ち着けやすく、お腹の重さが気になるときにも取り入れやすいでしょう。香りや清涼感が強い場合もあるため、自分に合う量から試すことが大切です。
2.夏便秘の解消に効く食べ物10選
便秘の解消を目指す際は、食物繊維や乳酸菌、オリゴ糖、良質な油分などを含む食べ物を意識して取り入れることが大切です。食材ごとの特徴を知ると、毎日の食事にも無理なく取り入れやすくなります。ここでは、便通を整えるためにおすすめの食べ物を紹介します。
2-1.大麦・オートミールは水溶性食物繊維をたっぷりとれる
大麦やオートミールは、水溶性食物繊維を取り入れやすい穀類です。大麦にはβ-グルカンが含まれ、腸内の善玉菌の栄養源となり、便通のリズムを整える助けになります。オートミールは、えん麦を食べやすく加工した食品で、白米に比べて食物繊維を多く含む点が特徴です。
主食として取り入れやすいのも魅力で、白米に大麦を混ぜて麦ごはんにしたり、オートミールを牛乳やヨーグルトでふやかしたり、だしやスープで雑炊風にしたりできます。朝食や昼食に使いやすく、忙しい日でも続けやすい食材です。噛みごたえもあるため、満足感を得やすい点も取り入れやすさにつながります。
ただし、食物繊維を急に増やすとお腹が張る場合があるため、少量から始めると安心です。水分も一緒に意識しましょう。
2-2.キウイフルーツは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスがよい
キウイフルーツは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含み、便をやわらかくする働きと便のかさを増やす働きの両方を取り入れやすい果物です。 100gあたりの食物繊維量は約2.6gで、グリーンキウイは食物繊維を比較的多く含みます。ゴールドキウイは食物繊維量が約1.4gとグリーンキウイに比べてやや少ない一方、甘みが強く、ビタミンC・ビタミンEが豊富なのが特徴です。キウイとオレンジのスムージーは、朝食や間食に取り入れやすいレシピです。
■材料
- キウイ:1個
- オレンジ:1個
- 水またはヨーグルトドリンク:100ml
- オリゴのおかげ:小さじ2~4
■作り方
- 果物の皮をむいて小さく切る
- 材料をミキサーに入れて攪拌する
- グラスに注ぐ
ヨーグルトドリンクを使うと乳酸菌も一緒に取り入れやすく、オリゴ糖は善玉菌の栄養源として役立ちます。冷やしすぎるとお腹が冷える場合があるため、体調に合わせて飲みましょう。
2-3.キャベツは気軽に食物繊維を取りやすい
キャベツは、年間を通して手に入りやすく、食物繊維を日々の食事に加えやすい野菜です。100gあたりの食物繊維量は約1.8gで、生のままサラダにするほか、加熱してかさを減らすと一度に食べやすくなります。スープや炒め物、お好み焼き、肉料理の付け合わせなどに使いやすく、食事の満足感を高めたいときにも便利です。ビタミンCやビタミンK、ビタミンUを含む点も特徴です。キャベツをしっかり食べたいときは、ヤンニョムチキン風の炒め物にすると取り入れやすくなります。
■材料(2人分)
■作り方
- 鶏肉を1口大、キャベツはざく切りに切る
- 鶏肉を袋に入れて塩コショウ、片栗粉を入れて混ぜる
- フライパンに油をひいて中火で鶏肉を皮目から焼く
- 余分な油を拭き取り【A】とキャベツを加えて全体にタレを絡ませる
2-4.海藻類は低カロリーで食物繊維を取れる
海藻類は、低カロリーでありながら水溶性食物繊維を取り入れやすい食材です。わかめ、昆布、ひじき、海苔、もずく、寒天などには、海藻特有のぬめり成分であるアルギン酸やフコイダンなどが含まれます。水溶性食物繊維は水分を含んで便をやわらかくし、腸内環境を整える助けになるため、便通が気になるときに意識したい成分です。
海藻類は、みそ汁やスープ、酢の物、煮物、鍋料理などに加えやすく、乾物を使えば常備もしやすい点が魅力です。水で戻すだけで使えるものも多く、忙しい日でも一品足しやすいでしょう。食事の量を大きく増やさずに食物繊維を足せるため、毎日の献立にも取り入れやすい食材です。味にクセが少ないものも多く、家族の食事にも合わせやすいでしょう。ただし、海藻ばかりに偏るのではなく、野菜や穀類、豆類などと組み合わせて、無理なく続けましょう。
2-5.オリーブオイルはオレイン酸が腸の潤滑剤になる
オリーブオイルは、オレイン酸を多く含む植物油です。適度な油分は腸内で便のすべりを助け、排便しやすい状態を支えると考えられています。特にエキストラバージン・オリーブオイルは香りがよく、サラダやパン、ヨーグルトなどに少量加えやすい点も魅力です。食物繊維を含む食材と組み合わせると、便通を意識した食事に取り入れやすくなります。
使い方としては、サラダにかける、納豆に混ぜる、みそ汁に少量加える、キウイフルーツやヨーグルトにかける、ココアのようなドリンクに入れるなどがあります。キウイの食物繊維やヨーグルトの乳酸菌と組み合わせれば、腸内環境を意識した一品にもなります。ただし、油である以上エネルギー量は高いため、摂りすぎには注意が必要です。まずは小さじ1杯程度から、普段の食事に無理なく加えるとよいでしょう。
2-6.ヨーグルトは乳酸菌・ビフィズス菌を含む
ヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌を取り入れやすい食品です。乳酸菌は主に乳酸をつくり、ビフィズス菌は乳酸に加えて酢酸もつくる点が特徴です。腸内を酸性に保つことで悪玉菌が増えにくい環境づくりを助け、便通のリズムを整えます。果物と組み合わせるなら、キウイりんごスムージーもおすすめです。ヨーグルトドリンクを使うと乳酸菌を取り入れやすく、キウイやりんごの食物繊維、オリゴ糖も一緒に摂れます。
■材料(2人分)
- キウイ:1個
- りんご:1/2個
- レモン果汁:小さじ1
- 水またはヨーグルトドリンク:100ml
- オリゴのおかげ:小さじ2~4
■作り方
- キウイは皮をむき、小さく切る
- りんごは皮ごと芯を取り、小さく切る
- 材料をミキサーに入れて攪拌する
- グラスに注ぐ
2-7.乳酸発酵している漬物は食物繊維と乳酸菌を同時に取りやすい
乳酸発酵している漬物は、野菜の食物繊維と乳酸菌を同時に取り入れやすい食品です。ぬか漬けやキムチ、すぐき漬けなどは、発酵によって生まれる乳酸菌を含み、腸内環境を意識した食事に役立ちます。野菜を使った漬物であれば、食物繊維も一緒に取れるため、便通が気になるときの副菜として取り入れやすいでしょう。
ただし、漬物は塩分が多くなりやすいため、食べすぎには注意が必要です。毎食たくさん食べるのではなく、小鉢に少量添える程度にすると続けやすくなります。発酵していない浅漬けや梅干しは、乳酸菌を含む漬物とは性質が異なるため、乳酸菌を意識する場合は、ぬか漬けやキムチなど発酵タイプを選ぶとよいでしょう。
2-8.納豆は水溶性食物繊維と納豆菌がお通じを助ける
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させた食品で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方を含みます。食物繊維は便の状態や腸内環境に関わり、納豆菌は胃酸に比較的強く、生きたまま腸まで届きやすいとされています。腸内では乳酸菌などの有用菌を増やす助けになることも期待され、便通を整えたいときに取り入れやすい発酵食品です。
そのまま食べるだけでなく、オクラ、めかぶ、長いも、キムチなどを加えると、食物繊維や発酵食品を一緒に取り入れやすくなります。朝食のごはんにのせる、冷ややっこやそばに加えるなど、日常の食事にも使いやすいでしょう。よく混ぜると粘りが出て食べやすくなり、ねぎやごまを加えると風味も変えられます。手軽に用意できるため、忙しい朝にも続けやすい点が魅力です。
2-9.ごぼう・玉ねぎ・バナナはオリゴ糖を含む
ごぼう・玉ねぎ・バナナは、善玉菌の栄養源となるオリゴ糖を含む食べ物です。オリゴ糖は胃や小腸で消化されにくく、大腸まで届いてビフィズス菌などに利用されるため、腸内環境を意識した食事に取り入れやすい成分です。ごぼうは食物繊維も多く、玉ねぎは料理に使いやすく、バナナは朝食や間食に取り入れやすい点が魅力です。ごぼうを使うなら、食べるごぼうドレッシングもおすすめです。
■材料(3~4人分)
- ごぼう:1本
- 玉ねぎ:1/4個
- 酢:大さじ2
- しょうゆ:大さじ2
- 白すりごま:大さじ2
- オリゴのおかげ:大さじ1.5
- 塩:小さじ2/3
- 黒こしょう:少々
- 米油:大さじ2
■作り方
- ごぼうを5cm程度に切って茹で、玉ねぎをくし切りに切る
- 米油以外をハンドブレンダーなどで攪拌しペースト状にする
- 米油を少しずつ加えてさらに混ぜ、乳化させる
- 塩や酢、オリゴのおかげで味を調整し、冷蔵庫で味をなじませる
2-10.ペパーミントはメントールが腸の緊張を緩める
ペパーミントは、清涼感のあるメントールを含むハーブです。メントールには腸管の平滑筋の緊張をゆるめる働きがあるとされ、お腹の張りやガスによる不快感が気になるときに役立つ場合があります。ペパーミントには緊張を抑える働きもあるため、リラックスした気持ちで過ごしやすくなります。日常に取り入れるなら、ペパーミントティーが手軽です。
■材料
- ペパーミントティーのティーバッグ:1個
- お湯:500ml
- レモン果汁:大さじ1~2
- 生姜:チューブ1~2cm
- オリゴのおかげ:適量
■作り方
- ティーバッグにお湯を注ぎ、ペパーミントティーを抽出する。
- レモン果汁、生姜、オリゴ糖を加える。
- 全体をよく混ぜ、好みの濃さに調整する。
3.便秘になりやすい食べ物はある?
便秘になりやすい食べ物は、食物繊維が少ないものや、消化に時間がかかりやすいものです。食べてはいけないわけではありませんが、そればかりに偏ると便の量や腸の動きに影響する場合があります。毎日の食事では、主食・主菜・副菜のバランスも意識しましょう。
■赤身肉
赤身肉はたんぱく質を取れる一方、食物繊維を含みません。肉中心の食事が続くと、野菜や海藻、豆類などの量が減り、便のかさが不足しやすくなります。
■脂っこい食べ物
揚げ物や脂の多い料理は、消化に時間がかかりやすい食品です。食べすぎると胃腸に負担がかかり、腸の動きが鈍く感じることがあります。
■精製された炭水化物
白米や白パン、うどんなどは食べやすい反面、玄米や全粒粉の食品に比べて食物繊維が少ない傾向があります。主食が精製された炭水化物に偏る場合は、野菜やきのこ、海藻の副菜を添えるとよいでしょう。食事全体で食物繊維を補う工夫が必要です。水分も意識しましょう。
まとめ
便秘の解消を目指すには、食物繊維や乳酸菌・ビフィズス菌、オリゴ糖、不飽和脂肪酸などを食事に取り入れ、腸内環境や便の状態を整えることが大切です。大麦やオートミール、キウイフルーツ、海藻類、納豆などは、日々の食事に加えやすい食材です。ペパーミントのように、お腹の張りや緊張感が気になるときに取り入れやすいものもあります。
一方で、赤身肉や脂っこい食べ物、精製された炭水化物に偏ると、食物繊維が不足しやすくなります。特定の食品だけに頼らず、主食・主菜・副菜のバランスを整えながら、無理なく続けられる食生活を意識しましょう。
<監修者プロフィール>
松生 恒夫
1955年東京生まれ。医学博士。松生クリニック院長。東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2003年、東京都立川市に松生クリニックを開業。6万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸疾患治療の第一人者。便秘外来の専門医として地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを取り入れた診療で効果を上げている。著書に『スーパーペパーミントティーでお腹すっきり』(シロクマ社)、『子どもの便秘は今すぐなおせ』(主婦の友社)、『見た目は腸が決める』(光文社)、『「腸の老化」を止める食事術』(青春出版社)、『日本一の長寿県と世界一の長寿村の腸にいい食事」(PHP研究所)など多数。







