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”ぽっこりお腹”は内臓脂肪だけじゃない?ガスを減らす見た目すっきり術とオリゴ糖
鏡を見るたび、下腹だけがなんとなく前にポコッと出て見える…。
「最近太ったのかな?」と思ってウエストを測ってみても、体重もサイズも大きく変わっていない。
それでもお腹が出て見えることがあります。
その原因のひとつが、“腸内のガス”。
実は、ぽっこりお腹の正体は脂肪ではなく、このガスによる“ふくらみ”というケースがとても多いのです。

お腹が張ると、なぜ「太ったように見える」のか?
腸はお腹の大部分を占める臓器。
その腸にガスがたまると、内側から風船のように押し広げられるため、お腹全体が前にせり出したように見えます。
特に、便が腸に残っているとガスが抜けにくく、膨らみはさらに強調されます。
ガスが増える主な原因は以下の通り。
・善玉菌が減り、悪玉菌が優位になっている
・食べるスピードが早く、空気を多く飲み込んでいる
・食物繊維が不足し、便が停滞している
・ストレスや生活リズムの乱れで腸の動きが弱っている
これらが重なると、見た目だけでなく、重だるさや不快感もついてきます。
見た目を変えたいなら、まず“ガス対策”が早い
ガスによるぽっこりは、脂肪とは違って、原因を整えれば比較的すぐに変化が出やすいのが特長です。
中でも鍵になるのは、腸内細菌のバランス。
腸の環境が整うと、ガスが生まれにくくなり、溜まった便も自然に出やすくなります。
そこでぜひ取り入れたいのが、オリゴ糖です。
オリゴ糖が“ガス対策”に向いている理由
オリゴ糖は胃や小腸で消化されずに大腸まで届き、ビフィズス菌などの善玉菌のエサになります。
善玉菌が増えると、腸の中では以下のような良い循環が起こります。
・ガスを多く作る悪玉菌が減る
・短鎖脂肪酸(酪酸など)が増え、腸の動きがスムーズに
・便が適度にやわらかく保たれる
・排便が整ってガスが抜けやすくなる
つまりオリゴ糖は、“ガスがたまりにくい腸”を作るための環境そのものを整えてくれるのです。
今日からできる「見た目スッキリ」習慣
① ゆっくり食べる習慣
早食いは空気を多く飲み込み、ガスの元になります。
ひと口20〜30回を目安に、深呼吸するように落ち着いて食べるのがコツ。
② 温かい飲みもの+オリゴ糖
温かい液体は腸の動きを助けます。
ココアやハーブティーにオリゴ糖を入れれば、腸活ドリンクとしても最適。
③ 野菜・海藻・きのこで“水溶性食物繊維”をプラス
ガスを増やさずに便を出すには、水溶性食物繊維が重要。
味噌汁やスープに少し足すだけでOK。
④ 適度に歩く
ウォーキングは全身の血行改善や腹筋を刺激することで
腸のぜん動運動を自然に活性化します。
腸を整え、軽やかなラインへ
ぽっこりお腹は、脂肪よりも“腸の声”を聞くことが改善への近道。
ガスで張ったお腹は、無理にへこませようとする必要はありません。
大切なのは、腸が動きやすい環境をつくってあげることです。
そのための小さな一歩として、オリゴ糖はとても頼もしい味方。
気になるぽっこりお腹を、やさしく自然にスッキリさせていきましょう。
<監修者プロフィール>
松生 恒夫
1955年東京生まれ。医学博士。松生クリニック院長。東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2003年、東京都立川市に松生クリニックを開業。6万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸疾患治療の第一人者。便秘外来の専門医として地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを取り入れた診療で効果を上げている。著書に『子どもの便秘は今すぐなおせ』(主婦の友社)、『見た目は腸が決める』(光文社)、『「腸の老化」を止める食事術』(青春出版社)、『日本一の長寿県と世界一の長寿村の腸にいい食事」(PHP研究所)など多数。
