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「腸」が喜ぶ、夏のライフスタイル術
暑い日が続くと、私たちの体はもちろん、腸もダメージを受けがちです。猛暑日が常態化してきた今こそ、「腸にやさしい生活習慣=夏の腸活」を見直すタイミング。今回は、夏を元気に乗り切るための腸にやさしいライフスタイルの工夫をお届けします。
夏は腸の「ストレスシーズン」?
気温35℃を超える猛暑日は、体温調整のために大量の汗をかくうえ、冷たい飲み物や食べ物をとる機会も増えます。これが自律神経を乱し、腸の働きを弱めてしまう原因になるのです。
さらに、冷房による身体の冷えも腸の血流を滞らせ、腸内環境を悪化させる一因に。こうした複合的な「夏のストレス」が腸にかかることで、便秘や下痢、食欲不振などが起こりやすくなります。
暑い日の腸を守るライフスタイル術
では、どうすれば腸にやさしい夏の過ごし方ができるのでしょうか?ポイントは「腸を冷やさず、よく動かす」ことです。
・冷たいものは“ほどほど”に
アイスや氷たっぷりの飲み物は、体の中から冷やしてしまいます。冷えが気になる方は、常温や温かい飲み物を選ぶのがおすすめ。
・朝のストレッチや軽い散歩を習慣に
暑さで運動不足になりがちな夏こそ、早朝や夕方の比較的涼しい時間帯に軽い運動を取り入れましょう。腸をやさしく揺らすような運動(ウォーキングやヨガ)を習慣にすると、腸のぜん動運動が活発になり、便通もスムーズになります。
・お風呂で“芯から”あたためる
シャワーだけで済ませがちな夏でも、できれば週に数回は湯船に浸かりましょう。38〜40℃くらいのぬるめのお湯に10〜15分ほど浸かることで、腸の血流が改善され、自律神経のバランスも整いやすくなります。
・食生活に「腸の応援団」をプラス
腸にやさしい習慣には食事も重要です。ポイントは、「腸内細菌が喜ぶエサ」をしっかり摂ること。ここで活躍するのがオリゴ糖をはじめとした「プレバイオティクス食品」です。
オリゴ糖は腸内の善玉菌、特にビフィズス菌のエサになり、腸内フローラのバランスを整える強い味方。ヨーグルトや発酵食品と組み合わせてとることで、その効果をさらに高めることができます。また、食物繊維が豊富な野菜や果物、海藻なども積極的に摂りたいところ。例えば、夏野菜のオクラやキウイフルーツには水溶性食物繊維が豊富に含まれているのでおすすめです。
夏こそ、やさしく腸に向き合う時間を
「夏バテ=腸バテ」ともいえるほど、腸と夏の体調は深くつながっています。忙しい毎日でも、少しだけ“腸のこと”を意識してみる。そのちょっとした心がけが、夏の不調を防ぎ、毎日を健やかに過ごす力になります。
暑い季節を乗り切るために、今日から始められる“腸にやさしい暮らし”。あなたの腸に、ほんの少しのごほうびをあげてみませんか?

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<監修者プロフィール>
松生 恒夫
1955年東京生まれ。医学博士。松生クリニック院長。東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2003年、東京都立川市に松生クリニックを開業。6万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸疾患治療の第一人者。便秘外来の専門医として地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを取り入れた診療で効果を上げている。著書に『子どもの便秘は今すぐなおせ』(主婦の友社)、『見た目は腸が決める』(光文社)、『「腸の老化」を止める食事術』(青春出版社)、『日本一の長寿県と世界一の長寿村の腸にいい食事」(PHP研究所)など多数。