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猛暑日と腸—―夏に負けない、腸へのいたわり習慣
ここ数年、35度を超える猛暑日が続出し、日本の夏は“灼熱”が当たり前になってきました。実はこの異常な暑さ、私たちの腸にも大きな負担をかけているのをご存じでしょうか?
便秘を訴える人が年々増える中、特に夏に便秘になる「夏便秘」は深刻化しています。気温の上昇や生活習慣の変化が腸の働きに影響し、まるで「腸の砂漠化」とも言える状態が起きているのです。
ここでは、気候変動が腸に与える影響とその背景、そして腸をいたわるための新しい視点として、オリゴ糖の摂取がなぜ今、重要なのかをご紹介します。
急増する猛暑日とその”腸ダメージ”
日本の平均気温は、1889年以降100年あたり約1.1℃のペースで上昇しています。特に1990年代以降は高温年が目立ち、東京でも2024年には35℃以上の「猛暑日」が20日間、真夏日は82日間にのぼりました。春や秋が短くなり、いきなり夏、いきなり冬が来るような極端な気候が当たり前になりつつあります。
こうした気候の変化に私たちの体はついていけず、腸にもさまざまなトラブルが起きています。便秘傾向のある方は、ちょっとした気温の変動だけでも排便力が落ちてしまう。それは、腸がとても繊細で、環境変化に敏感な臓器である証拠です。
夏便秘の正体は「腸の砂漠化」
夏便秘の大きな要因は、以下のような生活習慣にあります。
・運動不足:暑さを避けて室内で過ごす時間が増える
・水分不足:大量の汗によって体内が脱水気味に
・食欲不振:さっぱりしたもの中心になり、食物繊維が不足
これらの要素が重なることで、腸内環境は一気にバランスを崩し、まるで水を失った砂漠のようにカラカラな状態に。便が硬くなって排出しにくくなり、さらに腸内の善玉菌も減少していきます。
このような状態を放っておくと、便秘だけでなく、肌荒れ、疲労感、免疫力の低下など、全身の不調にもつながるおそれがあるのです。
“10度の法則”──エアコンの温度差にもご注意を
近年、エアコンの普及率は大きく上昇し、今や夏の健康を守るための必需品。しかし、過剰な使用はかえって腸の健康を損なうリスクもあります。
特に注意すべきは「内外気温の差が10℃以上あると、腸にストレスがかかる」という法則。外気温が35℃なのに室内を20℃近くまで冷やすなど、極端な温度差は自律神経を乱し、腸の働きを一気に低下させてしまうのです。
猛暑日の冷房の設定温度は、外気温マイナス10℃程度を目安に。腸を冷やしすぎない工夫が、夏を健やかに乗り切るカギになります。
腸内環境を整える「オリゴ糖」という選択肢
こうした“腸に厳しい夏”を乗り越えるために、注目したいのが腸内の善玉菌のエサとなるオリゴ糖です。腸の中には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の三者がバランスを取りながら存在しています。特に善玉菌の代表格であるビフィズス菌は、健康な腸内環境に欠かせない存在です。
しかし夏場は、善玉菌の数が減りがち。そんな時にオリゴ糖を摂ることで、腸内の善玉菌が元気になり、バランスが整いやすくなります。つまり、オリゴ糖は“乾いた腸”にうるおいをもたらす腸のオアシスのような存在なのです。
たとえば、ヨーグルトにオリゴ糖をかけて朝食に取り入れるなど、毎日の食事にちょっとプラスするだけでOK。夏の胃腸にもやさしく、続けやすいのが魅力です。
夏の腸活は、明日の元気をつくる
猛暑日が常態化しつつある今、「季節に負けない腸づくり」は誰にとっても必要なセルフケアのひとつ。まずは気温や生活習慣が腸に与える影響を知り、できることから少しずつ整えていきましょう。
「オリゴのおかげ」はシロップタイプのオリゴ糖甘味料なので、毎日の食事に簡単に取り入れることができます。夏こそ「オリゴのおかげ」を味方につけて、“腸にやさしい暮らし”を実践してみてください。

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<監修者プロフィール>
松生 恒夫
1955年東京生まれ。医学博士。松生クリニック院長。東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2003年、東京都立川市に松生クリニックを開業。6万件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた腸疾患治療の第一人者。便秘外来の専門医として地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを取り入れた診療で効果を上げている。著書に『子どもの便秘は今すぐなおせ』(主婦の友社)、『見た目は腸が決める』(光文社)、『「腸の老化」を止める食事術』(青春出版社)、『日本一の長寿県と世界一の長寿村の腸にいい食事」(PHP研究所)など多数。